実践——方法と方法論、研究と人生の歩き方

「わたしが探究を始めるために重視する手段は、どこまで進められるか見定めることだけです。つまり、まずは探究の途について、歩き始めること。(研究方法を学んでから、研究を始めるのでは、順序が逆です。まず歩いて、行き詰ったら限界を知るのだから、そのときに方法論を反省すればよいのです。方法論が完璧なら真理にたどり着くはずだといっても、歩き始める時が来なければ意味がありません)。研究方法をめぐる探究から得た知識〔認識〕が現実にいかに啓発的だとしても、得られた研究方法がわれわれの思考を肥大させるにしても、思考のメカニズムについてのいかなる事前の分析も、ただわたしたちにそう遠くまで進むことができないと不可能性を示すことしかできません。それというのも、自分たちのもつ思考というものの解明が目的であるのだから、思索のただなかで肥沃になるはずのものを、事前知識で当の思考が肥大する前に研究すべきであったというはめになるからです」。

 (ベルクソン「意識と生命」講演より)

2020-01-01

 ◇ 

「頭がいいというのはIQの問題じゃなくて、倫理の問題だと、ぼくは思っているんですね」             (柄谷行人)  ※「現代日本の言説空間」、蓮實重彦との対談より 柄谷行人 蓮實重彦 全対談

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2017-01-13

坂本龍馬新書簡

「新国家」専心 暗殺5日前の書簡発見 毎日新聞 2017年1月13日 もちろん、坂本は慶喜が降参と言っている(大政奉還)のだからこれ以上のテロル、倒幕など考えていなかった。さまざまな書き物で新政府構想を練っていた。 ただ越前春嶽は、幕末史の鍵となる人物なので、なにか新しいことが分かるといいですね。 暗殺についても、西郷黒幕の裏づけを固めることでも出てくれば。 大久保黒幕説というのもありますけれども...

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2017-01-01

両陛下:新年に歌 年頭所感はとりやめ

http://mainichi.jp/articles/20170101/k00/00m/040/068000c

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退位要件:天皇の意思明記せず 特別立法で政府方針

http://mainichi.jp/articles/20170101/k00/00m/010/069000c 『毎日新聞』2017/01/01 退位要件:天皇の意思明記せず 特別立法で政府方針 毎日新聞 天皇陛下が退位などについてのお気持ちを読み上げる「ビデオメッセージ」を大型ビジョンで見る人たち=東京都新宿区のJR新宿駅前で2016年8月8日、竹内紀臣撮影  政府は、天皇陛下に限り退位を認め...

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2016-12-24

「目黒エクリ・フルール2017開運スペシャル」カット

とてもヴェリーなショートカットにばっさり、そんな欲望が芽生えてから二ヶ月ほどが過ぎ。

ついに目黒equri fleurにて、ばっさりやって頂きました。

30年ぶりの短髪、絶対にぶざまになると確信がありました。

そこがどっこい、さすがのスタイリスト茂木さん。類まれなデザイン力とカット技術で、元々の不恰好を激しく繕い、素敵なヘアスタイルにしてくれました。モデルは不細工ですが、それはそれ。


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ジーン・ハックマンの映画を観たり、80年代前半のポール・ウェラーのレコジャケ眺めたりしているうちに、ばっさりカットの欲望が高まっていました。

茂木さんには長くお世話になっていますが、これほどバランスのとれた能力の方は少ない。




「2017開運カット エクリ・フルール スペシャル」でした。

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ともかく気もちよい。心が明るくなりました。

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2016-12-21

ほんものの優しさは、強さからしか生まれない

『ミリオンダラー・ベイビー』のフランキーのことです。たまたまテレビで演っていたので再鑑賞。たぶん3度目。やはり素晴らしい映画だ。 マギーに生きるに値する人生を与え、生活に喜びの感情を甦らせて、最後まで尊厳を護った男の話。

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「誰にも言えない」の論理——付 わたしにとっての実践哲学

                   

 


 

イジメ。片仮名では軽すぎることばですね。

小学校の間、ずっと虐められていた。親にも言えなかった……。

中学生になり、自殺をしてからやっと報道されて、遺書や遺されたノートから、誰にも言えなかったと告白されることをよく報道で目や耳にします。

死ぬほど苦しんでいながら、なぜ誰にも相談しなかったのだろう?死ぬくらいならば、なんでもできたのではないか?

陰惨な報道に触れるたびに、わたしはそう思ってきました。

 最近になり、やっと気づきました。


 〈虐められていることを、ひとに話すことはとても恥ずかしい、死ぬほど恥ずかしい〉。

まして、親や、自分に好意をもってくれ、自分も好意を寄せたり慕っているたいせつなひとを前にしたならば、幸せで元気な自分の姿を見せようとするばかり、とてもイジメられているなどと格好の悪いことは言えない。

苛めている方は、この「誰にも言えない」の論理を都合よく悪用して、やりたい放題、ついに人殺しにまでなってしまうのでしょう。

その上、「このことを誰かに言ったら殺すからな」などと口封じをされれば、言えるわけがありません。

法律上そのようなことは許されない、殺すことに等しいような行為をするなどという脅しは、法律が許さないと説得したところで無駄でしょう。

この虐めに遭っている者は、もはや客観的な判断ができないほど参ってしまっている。生命はまだあっても、理性も人格も狂ってしまっている。そのような地獄を生きているからこそ、一番苛酷な時期を過ぎたというのに自殺という結果になってしまうのでしょう。

理性が弱っている。ひとに打ち明ける、行動をとる、そのような生命力も弱ってしまっている。ただひたすら苦しい気もち、恥入る気もち、悲劇的にも自分を価値のない存在と思い、虐められているのは自分に原因があるのだと責めてしまう感情のなかをさまよっているだけです。ひとまえでは気丈にふるまいながらも、もう人格と呼べるような柱もない。ぼろぼろです。

完全に理性と生命に力が戻り、冷静に判断し、行動できるエネルギーを回復したのならば、この被害者は法に基づき地獄から脱して、名誉回復を図ることもできたでしょう。そうするのが当然です。

それなのに、悲嘆に暮れるなか、誰にも言えないことから誤解は高まり、息苦しくなり命を絶ってしまう、そうしたケースが実に多いのです。

――――◉――――◉――――

わたしにとっての「実践哲学」は、自己と共同体との関係を考えることを課題としています。

個の自由があり、個体ごとに異なる心や身体、生命がある。集団の方は、集団のなかに、自分とは異なるもうひとつの自己が多数ある。それぞれに異なる。

考え方も、気性も異なれば、向き不向きもバラバラだ。そうしたなかで、どうやって折り合いをつけて共同で生活するのか。

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2016-12-20

コーヒー

 最近、家にあったエスプレッソ器でコーヒーを入れている。  正直、「やばい」。日本のどこのコーヒー店よりも好きな味で、フランスのカフェの味に一番近い。  もうどこのコーヒー店に行く気もしない。  手で加圧するシンプルな機械。イタリアの会社のもの。自分で買った物ではないのであとはよく分からない。  ともかく、うまいです。豆やロースト、挽き具合にもよると思うけれども。

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2016-11-17

昭和雑話 歌謡曲の力

昭和雑話 歌謡曲の力


 大正、昭和初年と豊かになり、恐慌と軍国主義の統制から破れかぶれの戦争に突入、敗けて極貧、経済成長でまた豊かになり、でも文化は痩せほそり、バブル崩壊から立ち直らないままリーマン・ショックでどんづまり、また貧乏に、しかも文化も教養も貧乏に……。



 このあたりは、長くなるので止めます。つぎに紹介するBBCのニュースと併せて、連載用に一時避難として仮設したサイトで書き改めます。※

 

  ニュースはこれです。


http://www.bbc.com/news/uk-37995600


  'Post-truth' declared word of the year by Oxford Dictionaries - BBC News


 〔日本の流行語大賞は「神ってる」。馬鹿っぽいことばですね。お上はなにをやっているのでしょう。民度の違いがハッキリと表れます〕。


 さて、

 最近気になった伴奏付き文学をふたつ。邦楽、詩。最初のものは、翻訳、替え歌翻訳。ふたつめは創作的訳詞ですが。米国帰りの堀内敬三が「蒲田行進曲」の詞をつけたのは昭和3、4年。

 太平洋戦争に至る軍国統制が強まる以前の昭和初年は、おそろしくモダンだったことに驚きます。

 当時の日本語よりもいまの日本語の方が堕落しているような。当時の豊かさや先進文化の勢い、明るさが伝わってきます。





蒲田行進曲

歌:川崎豊/曽我直子

作詞:堀内敬三

作曲:Rudolf Friml

紅の都光の湊 キネマの天地
花の姿春の匂い あふるるところ
カメラの眼にうつる かりそめの恋にさえ
青春燃ゆる 生命は踊る キネマの天地

胸を去らぬ思い出ゆかし キネマの世界
セットの花と輝く スターほほえむところ
ひとみの奥深く焼きつけた面影の
消えて結ぶ幻の国 キネマの世界

春の蒲田花咲く蒲田 キネマの都
空に描く白日のゆめ あつまるところ
かがやく美の理想 永久のあこがれに
生くる蒲田若き蒲田 キネマの都

(J-Lyrics.net

http://j-lyric.net/artist/a053b77/l0204c3.html

より引用)


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歌:真心ブラザーズ

作詞:BOB DYLAN

作曲:BOB DYLAN

白か黒しかこの世にはないと思っていたよ
誰よりも早くいい席で いい景色がみたかったんだ
僕を好きだと言ってくれた 女たちもどこかへ消えた
あのころの僕より今の方がずっと若いさ

自尊心のため無駄な議論を繰り返してきたよ
英雄気取りで多数派の弱さを肯定もしてきたし
僕を素晴らしいと言ってくれた 男たちも次の獲物へ飛びついた
あのころの僕より今の方がずっと若いさ

穴の開いた財布が僕に金をくれ 金をくれと言う
青空が僕に無理やり のんきさを要求する
僕を怖いと言ってくれた 友人もはるか想い出の中
あのころの僕より今の方がずっと若いさ
あのころの僕より今の方がずっと若いさ

(J-Lyrics.net

http://j-lyric.net/artist/a006b67/l01b131.html

より引用)


赤い風船

歌:浅田美代子

作詞:安井かずみ

作曲:筒美京平

あの娘はどこの娘 こんな夕暮れ
しっかり握りしめた 赤い風船よ
なぜだかあの手をするりとぬけた
小さな夢がしぼむ どこか遠い空
こんな時 誰かがほら
もうじきあの あの人が来てくれる
きっとまた小さな夢もって

この娘はどこの娘 もう陽が暮れる
隣の屋根に飛んだ 赤い風船よ
なぜだかこの手に涙がひかる
しょんぼりその家に灯りこもる頃
こんな時 誰かがほら
もうじきあの あの人が来てくれる
優しい歌 うたってくれる
あの人が優しい歌うたってくれる

(J-Lyrics.net

http://j-lyric.net/artist/a001f7e/l0026e2.html

より引用)



 詩歌はこうしてポップス(歌謡曲)のなかで時代変遷のなか、受け継がれ、いまも生きています。

 小説なんて、もともと19世紀のヨーロッパや1970年頃までの日本でも、〈不良〉が読むものだったし、そもそも〈rock!〉だったんですね。

 お行儀良くなったらつまらないし、時代の趨勢に逆らっても、縮小してゆくだけでしょう。


 ボードレールなんて超ロックだったし、フィッツジェラルドなんかデヴィッド・ボウイ、清岡卓行は草野正宗。


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昭和雑話 すいとん

昔なつかしの「すいとん」をつくってみました。いったい何十年ぶりか。敗戦後の貧しい日本人、うどんも肉もない。ぶつ切りネギと小麦粉だんごだけの汁、でもうまくてあたたまったのだと思います。 出来上がりはこんな感じになります。右 側のどんぶりに入っているのが、うどん粉のかたまり。ほんとは具などありませんでしたが。 最近、塩がうまいなあと感じます。出汁と塩、あとは醤油などの最小限の調味料。出汁の工夫しだいで...

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«ネルヴァル、詠う感性に渡世は……

【銘】

  •  ――山川草木悉有仏性

     ――草木国土悉皆成仏

  • 正しい智慧によって解脱して、やすらいに帰した人——そのような人の心は静かである(釈尊、中村元訳)





  •  人生無根蒂 飄如陌上塵 分散逐風轉 

     此已非常身   (陶淵明「雑詩)

【詩とことば】

  • 情けも過ぐれば仇となる


  • 生まれた土地は荒れ放題、今の世の中、

    右も左も真っ暗闇じゃござんせんか。


    何から何まで 真っ暗闇よ

    すじの通らぬ ことばかり

    右を向いても 左を見ても

    ばかと阿呆の からみあい

    どこに男の 夢がある

    〔古い奴だとお思いでしょうが〕

    〔どこに新しいものがございましょう。〕


    真っ平ご免と 大手を振って

    歩きたいけど 歩けない

    嫌だ嫌です お天道様よ

    日陰育ちの 泣きどころ

    明るすぎます おいらには


    (藤田まさと「傷だらけの人生」※一部抜粋・改変)

  • 2.







    雨ニモマケズ

    風ニモマケズ

    雪ニモ夏ノ暑サニ

    モ  マケヌ

        丈夫ナカラダヲ

                モチ


    慾ハナク

    決シテ瞋ラズ

    イツモシヅカニ ワラッテ

                 ヰル

    一日ニ玄米四合ト

     味噌ト少シノ

         野菜ヲタベ


     アラユルコトヲ

     ジブンヲカンジョウニ

            入レズニ

         ヨク

    ソシテ   ミキキシ

     ワスレズ     ワカリ

    野原ノ松ノ林ノ蔭ノ


       小サナ萱ブキノ

           小屋ニヰテ

     東ニ病氣ノコドモ

           アレバ

     行ッテ看病シテ

            ヤリ


     西ニツカレタ

            母アレバ

     行ッテソノ

     稲ノ束ヲ

        負ヒ

     南ニ


        死ニサウナ人

               アレバ


     行ッテ

      コワガラナクテモ

         イヽ

    行ッテ   トイヒ


     北ニケンクワヤ

          ソショウガ

                アレバ


     ツマラナイカラ

          ヤメロトイヒ

     ヒドリノトキハ

     ナミダヲナガシ


     サムサノナツハ

        オロオロアルキ

     ミンナニ

        デクノボート

             ヨバレ


     ホメラレモセズ

     クニモサレズ

         サウイフ

             モノニ

        ワタシハ

           ナリタイ


      南無妙無邊行菩薩

      南無上行菩薩

     南無多寳如来

    南無妙法蓮華經

     南無釋迦牟尼佛

      南無浄行菩薩

      南無安立行菩薩


    (宮澤賢治、昭和六年九月廿日からのいわゆる「雨ニモマケズ手帖」より、11.3をもとに転記)

  • 1.





    僕の後ろに道はない

    僕の後ろに道は出来る

    ああ、自然よ

    父よ

    僕をひとり立ちにさせた広大な父よ

    僕から目を離さないで守る事をせよ

    常に父の気魄を僕に充たせよ

    この遠い道程のため

    この遠い道程のため


    (高村光太郎「道程」、1914,2)



フォト

[放映中・予定]映画とドラマ

今日の一枚

  • 原由子 - Loving You

    Loving You
    原由子: Loving You

    表題曲だけなんだけど。いやじんじんじんも。「シャララ」もそう。この時期のサザンは、カレッジバンドの勢い爽やかさと、一見歌謡曲の裏に実はすごい濃いR&B、ブリーズコード、さらに当時のUK最先端と同時進行の洗練さをもちあわせていたり。「別れ話は最後に」も、EBGやスタカンに負けない。ブリーズにリズムと注目するとやっと「エリー」を素晴らしい曲と思えるようになった。

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  • Tsubakijanv
    今月の写真。撮影者・著作権者ひでわくさん(「はぐれ雲」)

○precaires

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